とある日常 3
世間では「壁ドン」が流行っているようだ。
「俺らの時代だったら“〇ドン”って言ったら『欽ドン』だよな?な?」
と押し付けがましく言うおじさんが、日本中に10人はいるだろうと想像するに難くない。
恥ずかしながら私、その言葉をつい最近まで全く知らなかった。どうやら、片手を壁につき、女性を高圧的な態度からの甘い言葉により“男らしさ”を醸(かも)し出し、相手をキュンキュンさせてしまう行為らしい。
以上の情報から推測してみると、対象となる人間は『若い男と若い女』のシチュエーションが一番当てはまるし、大方それを指しているのは間違いない。
それでは他の状況ではどうなるのだろう。
『男と男』ではどうなるのか。
・・・ほぼカツアゲであると予想される。
(※筆者のイメージです)
それでは『中年男と女性』ではどうなるのか。
・・・セクハラで訴えられてもおかしくないシチュエーションである。中年男は勘違いしないことが必要だ。
(※あくまでも筆者のイメージです)
それでは『中年男と中年男』ではどうなるのか。
・・・おそらく何かの拷問だろう。おやじ臭を近距離で嗅がせる行為は間違いなく拷問だ。そうだ、そうに違いない。やめてくれっ、やめてくれー。
(※あくまでも筆者の勝手な被害妄想です)
なんとなく気分が悪くなってきたのは仕方がない、夜の想像はなかなか暴走するものである。
「良い香りのする柔軟剤でも買おうかな」と、ふと思ったある平日の夜であった。